萎縮上顎臼歯部における傾斜インプラントの即時/早期荷重の簡単な治療法:予知性のある1年間の臨床実験
概略
背景:
上顎の臼歯部はしばしばサイナスの治療が行われるが難しい処置である。サイナスリフトを行わないで萎縮上顎の既存骨を利用しインプラントを埋入する方法に挑戦する。
目的:
この研究の目的は萎縮上顎骨に対して傾斜インプラントを行い即時/早期に荷重をかける治療法を検証することである。
実験材料と方法:
この研究では18人の患者に60本のインプラントを埋入し、即時/早期に固定性の部分補綴物または全部補綴物を装着した。約1年間に亘りインプラントの安定度を測定し、ラジオグラフィックで辺縁の骨の変化の観察を行った。
結果:
一人の患者でⅠ本の長軸インプラントと1本の傾斜インプラントが失敗に終わった。累積成功率は96.7%で、暫間補綴物の失敗はなかった。1年後の辺縁骨の吸収は長軸インプラントで平均0.82mm、傾斜インプラントで0.34mmであった。
結論:
この研究の結果、傾斜インプラントの即時/早期荷重は萎縮した上顎臼歯部に有効な治療法であることが分かった。この単純化された治療法は外科的侵の襲減少、時間短縮、治療費の安さも考慮すると患者と術者に多大な利益を与えるものである。
キーワード:
angulated abutments, atrophic maxilla, dental implants, flapless, immed- iate function, immediate loading, implant stability, insertion torque, maxi- llary sinus, prospective study, resonance frequency analysis, tilted implants
上顎臼歯部における構築はその部分の骨が脆弱のため術者にとっては一つの挑戦である。特に老人の上顎洞は年々と拡大して行く。十分に既存骨がない時は第一小臼歯で終わりである。第一大臼歯、第二大臼歯は自然に抜けて行くが、1主に歯周病やカリエスが原因である。2-5臼歯部は欠くことができないがインプラントの骨結合を利用して固定性の補綴物を装着することによって咀嚼を回復することができる。上顎臼歯部の治療はたくさんあるが欠損部に延長ダミーをつなげるのがよく知られているが、長いカンチレバーは短いものより成績が悪い。8そして合併症としてスクリューの緩み、補綴物の破折、インプラントの破折がある。そして後端のインプラントの骨吸収もある。新しい治療法としてショートインプラントの埋入があるが骨が脆弱の時は薦められない。9,10もう一つの方法としてオステオトーム11を使って骨を圧縮する方法があるが、骨量に限界がある。文献ではサイナスリフトが散見されるが、12患者サイドの受け入れは下行性の顎動脈の存在とその療法の不確実性、骨補填材の選択、治療費の高額のため躊躇する。さらに骨移植は複雑で感染も伴いやすく当然骨は消失する。骨の粗造な上顎結節や翼状突起の部位へのインプラントの埋入は上顎洞の障害を避けることができる。13この方法では下行性の顎動脈と翼状口蓋窩14の接近する分枝動脈を損傷する危険性がある。難易度の高い上顎骨に対して価値ある治療法としてザイゴマインプラントがあるが15骨密度の高い頬骨に支えを求めることが肝心で、成功するには豊富な経験が必要である。最近では数多くの研究者が遠心傾斜インプラントの研究を発表している。上顎洞の前壁に沿って傾斜させ、インプラントのプラットフォームはより遠心に位置させる。16-20神経、動脈の解剖学的生体が存在しない上顎洞前壁の骨三角地帯に支えを求める。この方法では補綴物がより後方まで配置が可能であり延長ダミーは不要となる。生体機械的分析と動物実験で骨吸収に関しては問題がないと証明された。17即時/早期インプラントの機能はよく知られています。固定性の補綴物を即時に装着することは明らかに価値があり、患者、術者にとっても時間の短縮が約束できる。先端医療として多くの研究者がこの即時/早期インプラントのコンセプトを取り上げ、多数の研究を報告をしている。22-30以前の研究の成果がこの即時/早期インプラントと傾斜インプラントを鼓舞し発展させた。31-38我々は萎縮した上顎骨に対するこの療法のシステムを確立証明するために研究を進めた。この目的は臨床において後方傾斜インプラントと即時/早期インプラントのコンセプトを証明することである。
実験材料と方法:
この予知性のある研究はヘルシンキで行われた。平均年齢が64歳(51〜76歳)(表1)の18人の患者に2001年の1月から2003年の12月の期間に亘って行われた。60本のブローネマルクを使用した。その内訳はMK(Ⅳ型)が39本とReplace Select21本である。対象になった上顎臼歯部の欠損部は部分的なもと全部的なものであった。(表2)
ブローネマルクの11本のインプラントは機械化加工面(1人の患者に6本)で、残りの28本は酸化膜加工面 (Tiunite) であった。1人の患者に3本の酸腐食面Replaceインプラントを埋入し残りの18本はTiuniteを使用した。インプラントの長さは10mm~15mmであった。
適応と非適応の基準:
部分欠損におけるインプラントは少なくても一つ以上の連結で全部欠損においては少なくても2本以上のクロスアーチであった。33本(ブローネマルク19、リプレース14)のインプラントは長軸方向に27本(ブローネマルク20、リプレース7)のインプラントは傾斜方向に植立した。部分修復は12例、全部修復は7例であった (表2)。長軸インプラントは前歯部と第一小臼歯部に埋入した。これに対して傾斜インプラントは第二小臼歯と第一大臼歯であった。その角度は17度から45度の範囲であった(表3)。27本の内23本はサイナスに沿って後方に30度以上の傾斜をつけて植立した。残りのインプラントは30度以下であった。前歯部の4本のインプラントは鼻腔底の穿孔をさけて傾斜させた。歯周病は事前に処置を施した。18人の反対側は天然歯牙かインプラントにサポートされた補綴物であった。その内2人は取り外し可能な義歯であった。Replace Select9本を除いて、インプラントは非感染抜歯窩の健康な部位に行った。
外科のプロトコル:
アドレナリン2%のアルチカイン(Ultracain、 ESPE、Seefeld、Germany)の局所麻酔下に処置を行った。術前の1時間前に抗菌剤(Zimox、1g、Pharmacia & Upjohn、Milan、Italy)を投与して3日間服用させた。抗炎症剤と鎮痛剤(Synflex Forte、550mg、Recordati、Milan、Italy)も投与した。さらに不安のある神経質な患者には精神安定剤(diazepam『Valiun』、Roche,、Milan、Italy)を投与した。含嗽剤としてクロルヘキシジン0.12%(Corsodyl,SmithKline- Beecham,Milan,Italy)を使用し冷罨法を施した。CTスキャンで骨のボリュームの検査し付着歯肉が充分にある5人の患者にフラップレスの外科処置を行った。(図1) 他の患者に対しては歯槽頂切開して行った。歯肉弁の翻転後歯槽骨頂を確認し、骨量、骨質を記録した。骨との固定をできるだけ強くするためカウンターシンクは避けた。
図1 フラップレスの時は充分な骨幅と充分な付着歯肉が必要である。Aは傾斜埋入
である。Bは歯肉から挿入しているので出血が少ない。
一般的に強い初期固定を得るためにややアンダーな形成をした。埋入トルクはコントローラー(Osseocare,、Nobel Biocare AB)で50Ncm以上であった。コントローラーがそこで止まった時はマニュアルレンチで最後まで埋入した。近心の長軸インプラントは傾斜インプラントの前に行った。(図2) 図2Aは近心の長軸インプラント後の術中歯根尖周囲のラジオグラフである。傾斜インプラントの形成のための参考とした。長軸インプラントの遠心部から予定された傾斜インプラントの中心の距離測定はデプスプローベを使用した。(図2B) 傾斜インプラントの角度についてはラジオグラフに見られるように上顎洞の前壁と長軸インプラントの角度から確認した。長軸インプラントに対する角度は各解剖学的状態で異なるが一般的に25度から55度で咬合平面に対しては45度から75度であった。(図3) 最初のパイロットドリルの深度は5mm としドリルの方向を確認した。(図2C) この時点でドリルの方向が決まる。そこで所定の深度まで形成する。このアプローチで上顎洞の穿孔が免れる。この方法であると骨量の豊富な時は図1で示したようにフッラプレスが可能である。骨が豊富にない時でもインプラント先端の衝突の心配はない。LekholmとZarbの基準に従い術中のドリルの抵抗で骨密度を判定した。骨質は2型、3型、4型と骨量はA、B、Cと分類した。インプラント埋入時のトルクは初期固定に影響する大事なファクターである。
図2 外科のプロトコルは傾斜インプラントの埋入前に近心の長軸インプラントを埋入する。近 心のインプラントと傾斜インプラントの距離はラジオグラフで測定する(B)。デプスプローベを
使用して確認する。CとDは傾斜インプラントのドリリングである。正確な方向を知るためには
1,2枚のラジオグラフが必要である。Eはパイロットホールに沿ってインプラントを埋入している
状態である。Fは最終のラジオグラフでこの症例はフラップを形成しています。
補綴物のプロトコル:
決まった角度(17か30)のアバットメントを長軸インプラントに合わせて傾斜インプラントに装着した。(図4) そして歯肉弁はアバットメントに合わせて縫合した。仮の補綴物は外科直後または2、3日後に装着した。即時荷重は部分欠損に行った。この症例においては仮のチタンシリンダー((Nobel Biocare AB)をしっかりと固定した。この方法は以前の研究で発表している。40術前にワックスアップを基に熱重合性可塑性樹脂 (ProtempⅢ, ESPE)で仮の補綴物を作った。(図5A ) コンポジットレジンをステントに入れてシリンダーを覆い、硬化を待って取り外し(図5C)、口腔外(図5D)で修正した。そしてそれをネジ止めした。このオリジナルのテクニックは仮の高性能の樹脂レジンを用いてしっかりと維持することができる。当初は仮のアクリルレジンで作っていたが、しばしば破折があった。この方法は改良され40今日に至って証明された。最大の注意はスクリューをしっかりと維持することと正確な適合と最終トルクの付与であった。全顎欠損に対しては早期荷重を行いフィクスチャーの印象は伝統的なピックアップ型オープン方式を採用した。材質はポリエチール(Permadyne、ESPE) であった。印象ポストの固定にはTetric Flow(Ivoclar Vivodent AG Schaan、Liechtenste)を所用した。最終のアバットメントにはヒーリングキャップ(Novel Biocare)を装着し咬合採得をした。41印象物はすぐにラボへ配送しその日の午後かその日の内に仮ブリッジをスクリューで止めた。仮の補綴物は中心位の咬合とし咬合形態は咬合様式に従ってシンプルなものとした。咬合調整は咬合紙とシムストックストリップスでチェックした。患者には通常の食事をする様に指導し特に堅い物を食べないように指示した。術後4ヶ月から6ヶ月に最終補綴物がセメンテングされたProcera アバットメント(n=3)とProceraインプラントブリッジ(n=16)をスクリューで止めた。
図3 三角地帯の骨部を利用した時はこの方法で行いラジオグラフに示すようにこの症例は2年後である。 傾斜インプラントの角度は長軸インプラントに対して55度で咬合平面に対して48度である。
この研究に於ける60本のインプラント時の骨の状態はLckholmとZarbの分類基準に準拠したが、そのうち8本(13.3%)は把握できなかった。(表4)
傾斜、長軸のインプラントにおいてトルクの差はなかった(表5)
メンテナンスとパラメーター:
メンテナンスの時期は6ヶ月以内に月一回、その後は6ヶ月後ごとにした。共振周波数解析(Osstel、Integration Diagnostics AB, Göteborg, Sweden)装置を使って術中術後のインプラントの固定を確認した。基本的には6ヶ月以内に毎月一回測定した。埋入時のトルクと埋入時のISQ値、3ヶ月後のISQ値、6ヶ月後ISQ値の相関関係を追求した。ラジオグラフの定期的観察は3ヶ月、6ヶ月、1年としその後1年ごとに検診した。ラジオグラフの方向はフィルムホルダー、フォアセップスを使って長軸インプラントに対して直角に行った。読影ができない症例においては繰り返し行った。辺縁骨の吸収の検査は第三者のレントゲン技師に依頼した。ラジオグラフをEpson 1240、800 dpiでスキャンしてデジタル化した。 画像分析の方法はMHI Image Version 4.0.2、 Scion Corp、Frederick、MD、USAを使用しインプラントと接触するもっとも冠測よりの骨レベルとプラットフォームの距離をターゲットとした。インプラントの直径は既に手元にあるので、0.01mmの単位の正確さでラジオグラフの目盛りを観察することができた。インプラントの骨レベルは辺縁骨の骨吸収を明確にすることが可能である。辺縁骨の吸収の変化は正常値と術後の変化値で算定した。そして近心部の吸収と遠心部の吸収を平均化して表示した。傾斜インプラントでは辺縁骨が近視側と遠心側では異なるため近遠心の骨吸収をできるだけ統計的に処理した。この1年間のラジオグラフのデータは統計的分析のための参考資料とした。
成功の判定基準:
インプラントの成功の基準はRoos 42の提唱する方法に従い各インプラントを定量化した。目的の機能に合致しているもの、痛みと不快感を訴えないもの、動揺が観察されないものを成功とみなした。補綴物の成功とは当然にその固有の補綴物の機能を持っているものをいう。インプラントが脱離した症例においてはその機能は減少するがすぐにインプラントのリカバリーを行い再度的確な補綴物を計画した。補綴物の失敗の時はインプラントの失敗が生じる。
図4術後にすぐに仮の補綴物を装着するとき必ず角度付きアバットメント(17~30°)を準備しておく。 Aはインプラントの方向と補綴物の方向の食い違いを示している。 Bはトルクコントローラーでしっかりとスクリューを締めている。 Cは平行性を保つため印象ポストを使用しアバットメントの上部の印象を示す。
図5 即時荷重の補綴物のプロトコルを示します。Aはコンポジットでコーテングされた熱可塑性ステントを示します。 Bはインプラントの長軸方向に仮のアバットメントが入るように穴を開けているところです。 Cはステントに対してシリンダーがコンポジットで固定された後、スクリューを外して口腔外にとりだしたところを示し、Dは調整研磨しているところです。
統計学的分析:
永続的変動を統計的に処理するため平均値と標準偏差値を用いた。中間値を用いたt-試験または非パラメーターの分析が非独立と独立の症例間の差の所見を明らかにするために用いられた。P価値が0.05より小さいことが統計的に重要であった。累積成功率は生命表分析を用いて計算した。術中の埋入トルクを基準として術時、3ヶ月後、6ヶ月後に共振周波数値を測定した。すべての分析は電算型分析ソフト(SPSS、version 11.0、SPSS Inc. Chicago、IL、USA)を利用した。
結果:
2004年1月にフルアーチのブリッジと2本の長軸インプラントと2本の傾斜インプラントを入れた患者が2004年の8月に死亡した。原因はインプラントの治療のためでなく他の理由であった。この症例についてはこの研究から除外した。他のすべての患者はこの研究の目的のためにフォローした。観察期間中に一人の患者(機械加工のインプラントの長軸と傾斜)で2例が失敗した。累積生存率は97.0%で、それぞれ長軸インプラント(33本中1本失敗)、傾斜インプラト(27本中1本失敗)では96.3%であった。全累積生存率は96.7%であった。(表6)
インプラントの失敗:
一人の患者で4ヶ月後に6本の機械加工のインプラントの内2本が失敗した。その補綴物はフルアーチのブリッジであった。上顎左上の犬歯部位の長軸インプラントと同側の6番部の傾斜インプラントを失った。この原因はクラックの増加でその次に起る合成樹脂のブリッジの破折が原因である。そしてインプラントと周囲組織骨の間における微小動揺の惹起である。そこで失敗インプラントをすぐに除去して一回り大きくて長い酸化膜インプラントを埋入した。左上の3番部のインプラントは初期固定が良好で即時荷重が可能であったが、6番部のインプラントには荷重をかけず歯肉貫通型の治癒を促すために斬間補綴物の後方部は短くせざるを得なかった。平凡な3ヶ月の治癒を待って斬間補綴物内の6番部は骨結合を得た。他のすべてのインプラントはこの研究の期間観察内で安定していた。
補綴物の問題:
一つのフルアーチの補綴物に生じたインプラントの失敗を除いてすべての斬間補綴物は100% の成功であった。既に記述した通りクラックの増加で合成樹脂のブリッジの破折を来した症例を除いてスクリューの緩みもなく補綴物の問題はなかった。インプラントの先端同士が接触しているが問題はない。狭い骨幅の時はリプレーステーパーインプラントの先端の狭いのが有効となる。(図6)
図6 写真AとBはリプレースセレクトテーパーの1年後のX-Ray です。女性の患者です。先端の細いテーパーインプラントのお陰で限られた狭い骨の中で良好な適合が認められる。CとDは最終的なプロセラのセラミックブリッジを示している。E とFはカンチレバーなしの第一大臼歯の傾斜インプラントである。
臨床例:
最終的結果として3症例を説明します。それらは二つの部分欠損(図6)と一つの完全全部欠損(図8)の症例である。
AとBは長軸インプラント2本と傾斜インプラント2本で治療された。 Cはコンポジットの斬間補綴物である。 Dは基本理念に基づいて数本のインプラントで長いインプラント間をサポートしています。 Eは最終補綴物でコンポジットでコーテングされたプロセラである。
X-rayの分析:
すべての患者にX-ray撮影を行った。一年半後の長軸インプラントの辺縁骨の変化は0.63±0.52mmと0.82±0.86mmであった。(表7) 傾斜インプラントでは一年で0.34±0.76mm、半年で0.54±0.74mmの骨吸収があった。長軸インプラント群と傾斜インプラント群との骨吸収の差は統計的に重要である。他の比較では(ブローネマルクとリプレース、傾斜インプラントと長軸インプラント、傾斜インプラントの近心と遠心)明らかな骨吸収の差はなかった。
表7 60本の内2本の失敗インプラントは除外した。
インプラント安定性の分析:
共鳴振動周波数装置ですべてのインプラントを測定した。傾斜インプラントでは高い初期固定が得られそれが持続した。平均のISQは初期おいて59、3ヶ月後58、6ヶ月後60であった。長軸インプラントでも(57、58、59) 同様であった。長軸インプラントと傾斜インプラントにおける初期固定の統計的な差は認められなかった。(表5) 埋入時のトルク値とISQ値の補正はP<.001で、3ヶ月後の補正はP<.005を必要とした。6ヶ月経過すると補正の必要がなくなった。
図7 70才の女性の患者でAはかなり上顎洞が肥大した術前のX-rayである。Bは2年後のX-rayである。
Cは抜歯後インプラントでトルク値は40N cmで、Dは後方部の傾斜インプラントでブローネマルクタイプⅣを使用。トルク値は30N cmである。両方とも即時荷重である。
15ヶ月機能後に両方の共鳴共振周波数を測定分析した表で、インプラント安定性の指数を表している。
考察:
この研究の目的は萎縮上顎洞の部位に傾斜インプラント16-20を埋入して即時/早期に機能させるインプラントシステムのプロトコルを明確にすることである。今回のインプラントの成功率は96.7%、補綴物100%であった。前回の発表した成績より優れていた。そして上顎に即時/早期に機能させた他の文献の成績と差がなかった。31-38後方のインプラントを傾斜することによって上顎洞の骨の全壁を迂回する。このアプローチの特徴としてカンチレバーを必要としないことである。そしてインプラント間のスペースは広く、数本のインプラントで補綴物をサポートすることができる。標準的なプロトコルの展開で費用も安い。2本のインプラントの失敗を報告したが、1本のインプラントは初期固定が不良で、即時/早期のインプラントの時は強い初期固定が必要であることが示唆された。もう一つのインプラントの失敗の原因は斬間補綴物の破折であった。29,40斬間補綴物は金属フレームを使用することを提唱する。即時/早期の混合荷重は特別な配慮が必要である。辺縁骨の吸収は少なく1年後の計測では長軸インプラントで0.82mm、傾斜インプラントで0.34mmであった。他の文献でみられる成績より優位であった。16-20傾斜インプラントの辺縁骨の吸収が少ない理由はインプラントネックと皮質骨との関係に起因していると思われる。近心ではインプラトネックは高い位置にあって、遠心では低い位置にあるため歯肉の封鎖が有利に働く。43,44生化学的分析17による所見では連結時の傾斜インプラントは骨に対する圧力は正常なものと変わらない。動物実験で後方に荷重をかけてもインプラント周囲の骨の反応は正常であった。21手術時と6ヶ月後における同じインプラントの安定性は即時、早期荷重の可能性を示唆する。もし骨伝導性インプラントを使用するならば高いインプラントの安定性を維持し、治癒期間中においても咀嚼力に耐えることができる。このプロトコルを確立するには長期間の臨床研究が必要である。
結論:
この限定された短い期間の研究では萎縮した上顎に傾斜インプラントを使用する可能性を勇気づけるもので治療のオプションとして採用することができる。生化学的な特徴のある補綴物は後方の傾斜インプラントで支持され骨吸収もなかった。即時/早期荷重の必須条件は高い初期固定と咬合のコントロールと表面性状が骨伝導性のインプラントの使用である。
謝辞:ラジオグラフの分析に協力をいただいたDr.Ciffolilliと統計的分析にご助言を戴いたDr.Sottiliに厚く感謝いたします。
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