上顎洞挙上術の組織学的所見:臨床報告1996
Histrogic Evaluation of Sinus Elevation Procedure : A Clinical Report 1996
Stephen S. Wallace, DDS,Stuart J. Forum,DDS, Dennis P.Tarnow,DDS
上顎洞挙上術に用いられる人工骨補填材の組織学的な知見はインプラントの周囲に骨質、骨量ともに大切な骨を提供することを指示するものである。このケースレポートは同じ患者の上顎洞への人工補填材の治癒過程を4、8、12、20ヵ月後に観察を試みた。他家骨(80%)と自家骨(20%)の混合骨補填材を使用して上顎洞挙上術を行い、12 から20 ヵ月にわたってトレフィンバーで骨を採取して得られた組織の所見では骨の再生が観察された。この研究は、また、この治療によって成熟した骨、多量の骨が生成されたことを示した。再生骨の定量化と他の骨再生術との比較は継続的におこなわれている。(Int Periodont Rest Dent 1996;16:47-51.) 副鼻腔への骨移植と上顎洞挙上術は最初にTatum がもたらし、その後、Wood 及びMoore によって改良されて臨床応用が多数行われてきた。実際、それは上顎臼歯部の萎縮した症例に対して垂直的に骨造成し、インプラント埋入するための共通した方法の1つである。この展開は文献で報告される高い成功率と一流の臨床医によって証明されている。ほとんどのケースにおいて、報告された成功は造成された上顎洞の骨再生部に埋入されたインプラントの初期固定(安定性) が良好なものと関連していた。ほんの最近では、異なった骨補填材で達成される結果を組織学的検索した比較実験(犬モデル) がある。成功が印象的な間、臨床医が同じ結果を得ることを難しくさせるこのタイプの報告には多くのものがある。これらには変化あるが、即時法かステージ法の治療、インプラントの種類、外科的補綴的プロトコル、2次オペと補綴物の負荷において利用される骨補填材の種類に限定されない。成功した骨結合はインプラント周囲骨に認められる所見で明らかである。従って、上顎洞挙上術の成功が明らかにされ、骨の組織学的の状態が理解されることが重要である。組織学的定義をからして、成功した上顎挙上術は骨結合の経過を経て量的にも質的にも良好な骨提供する。組織学的所見では上顎洞挙上術と関連付けられる多数の変化を観察することができる。本研究では使用する骨補填材および20 カ月にわたる治療の反応を基にして一時的な組織学的な調査結果を記述する
症例
患者は65 歳の健康な老人で、上顎の臼歯部は欠損を伴う萎縮骨である。インプラントの準備として、上顎洞挙上術は他家骨及び自家骨の混合骨補填材の組合せをして行われた。骨補填材の治癒のため4ヶ月おいてから7本の一回法インプラントを上顎洞に埋入した。インプラント埋入(4 か月) の時と8ヶ月、12ヶ月、そして20ヶ月後にトレフィンバーで水平骨のコアーを採取した。すべての骨コアーを脱灰し、切片にしてヘマトキリンエオジンで染色し組織学的研究に供した。  
骨補填材
多数の人は腸骨から採取した自家骨髄と皮質骨は上顎洞挙上術に最適なものであると認めている。口腔外の治療は入院を必要とし、その高度な治療は完全な口腔内治療を成功させる。Moy 等はオトガイ骨から収集される骨補填材を60%利用していることを報告した。他家骨の機序の研究としてCheung, Tofeは他家骨は自家骨の隔の性質持っており上顎洞挙上術に最適な補填材であるといっている。口腔内で求められるドナーサイトは上顎結節で他家骨と混合して用いられる。用いた骨補填材の構成は次の通りである。子牛の他家骨40%(250~420mm)-OsteoGraf/N300と同じく40%(420~1000mm)-OsteoGraf/N700そして上顎結節からの自家骨の20%とである。この自家骨と他家骨の子牛の骨髄の構成はこの研究では基本として扱われる。
組織学的所見
組織学に観察することは上顎洞挙上術のために用いた他家骨と自家骨の組合せで使用した時の治癒段階における骨の変化の状態を把握できる。図1a から1d は上顎洞内の他家骨の隔と自家骨の骨改造現象を示す。図1a は4ヶ月目で非生活骨と思われる自家骨の残りであることを示しているが、わずかながら生活骨の再生が見られる。8ヶ月(図1b)と12ヶ月(図1c)では血管の増加、新生骨の出現、残存自家骨と残存他家骨の現象が見られる。興味あることは特に12ヶ月目では骨破壊性の活動がめざましいことが観察された。20ヶ月目(図1d)では新生骨の熟成の増加、他家骨の完全消失が見られ、一方、脂肪性の完熟した無血管の骨髄が出現した。
考察
組織所見ではこの症例の場合、12ヶ月から20ヶ月の間に他家骨(OsteoGraf/N)の骨改造現象がみられた。視覚的には後のスライド方がその現象は明らかであった。12ヶ月ではすべての残存している非活性の骨補填材は置換され吸収されていた。他家骨(12ヶ月から20ヶ月)の吸収には時間が必要でステージ法インプラントには好都合である。何故なら初期固定に必要な最小の新生骨が存在するからである。この症例の自家骨と他家骨の混合が代表的なであるかさらに研究しなければならない。また自家骨の役割について確認する必要もある。両骨補填材の量的割合も変える必要があるかもしれない。最後に、種々の主な反応、選択した骨補填材、用いたテクニック、術者の技量等がこの治療の正否を決める。
結論
この患者に用いた口腔内から採取した自家骨と他家骨の混合骨補填材は12ヶ月から20ヶ月すぎると新生骨に変化していくようようでる。他家骨の変化は人間の非活性骨と似ているが短時間では起きない。完全に終息するには2年かかります。この治療の成功率を高めるべく新生骨を測定する方法を処理する研究が示唆された。