Treatment of the Atrophic Posterior Maxilla
Smiler, Johnson, Misch, Rosenlicht, Tatum. Wagner 1992
この治療が大丈夫なのですか?という質問が萎縮した上顎臼歯部に行うサイナスリフトグラフト法についてあった。以下の質問である。
1.上顎洞に対する外科的なアプローチどのようなものか?
2.グラフトに用いる材料は何ですか?
3.同時にインプラントを埋入する基準は何ですか?
4.この治療の問題性は何ですか?
5.インプラントはグラフト材の中に埋入するのですか?
口腔内疾患は歯牙を破壊し、喪失させ歯科補綴物をサポートする骨を破壊してしまう。薄い歯槽骨では表面フラットだったり、デコボコだったりして、口腔前庭が狭くなったりしている。サイナスの肥大化と薄い歯槽骨は歯科医を困惑させる。局部義歯と総義歯の維持のため骨と残存歯牙を必要とする。歯槽骨がない時は歯肉移植、結節の整形、口腔前庭を拡張したりする。また骨造成法も行われる。この方法はドナーサイトも必要なく、手術時間も短く、疼痛もない。失敗が少ない。
問題
上顎臼歯部にインプラントを埋入する時、問題があります。その部に骨欠損があるとその患者の歯槽骨は上顎洞底に接近している。そして洞の肥大化で臼歯部の骨は量的に少なくなりやすい。インプラントをサポートする骨がないため、上顎洞に迷入しやすい。上顎骨が吸収してサイナスに接近する理由は二つある。その一つは、早期の抜歯はサイナスを拡大させシュナイダー膜が骨吸収の活動を高める。その結果、上顎洞底を低くする。もう一つは上顎洞の肥大化によって歯槽骨を浸食する。この内外の刺激が軽いものでも上顎洞を拡大する。上顎臼歯部は海面骨で形成されており、その骨の質は不良で、骨再生能力が低い。歯槽骨の消失は上顎洞を拡大してインプラント埋入は不向きである。上顎骨のインプラントの失敗は上顎洞の穿孔や感染に起因する。歯槽骨が乏しいおt機は骨頂、骨幅を改善することによって補綴的問題が解決する。新しい治療法は上顎骨の問題を解決してくれる。そしてグラフトテクニックはインプラントの治療を成功に導く。
歴史的背景
上顎洞底は骨造成とインプラント埋入が不可能だと考えられていた。文献を見るとこの点につき先人のインプラントジスト達は研究していた。1977年にGeiger は上顎洞粘膜破ってセラミックインプラントを埋入し11週後に何の症状もなく単独の上部構造物を装着した。1977年にTatumは改良Caldwell-Lucを用いて上顎洞粘膜を挙上して骨を移植した。1980年にBoyneとJamesは洞底に自家骨の海面骨を使用した。その骨は腸骨から採取され、皮質骨と海面骨を分別して行った。この症例のうちの11例は通法の上部構造物を装着し、3例は10週から12週後にブレードインプラントを埋入した。1981年にVassosは幅広のブレードインプラントで粘膜を押し上げる方法を発表した。1984年にBrånamarkとAdellは上顎洞粘膜の穿孔例44例中77%の生存率で、5〜10年の追跡を行った。1986年にTatumは肋骨自家骨と腸骨の皮質骨を使用してsu-bantralの骨再生を行った。1987年、SmilerとHolmesは上顎洞の移植に非吸収の骨補填材を使用して骨統合のインプラントを埋入した。Chanavaz, Kent, Block, Misch,Wagner等とその他の研究者は種々の材料を使用して上顎洞の形態を改良した。
解剖
サイナスには空気があり、音の共鳴室で、頭蓋骨の重さを軽くしている。冷たい空気が気管枝や肺に入る前にそれを暖めることもする。吸い込んだ空気に外界からの物質が混入していると、繊毛上皮がこれを取り除くことができる。繊毛の一面は鼻の方に流れている。サイナスの形状はピラミッド型である。骨壁の厚径は空洞の肥大化と関係している。鼻側が一番厚い。第一大臼歯で奥行きは2.5cmで高さは3.75cmである。小臼歯では平均3.0cmである。サイズや形はその人の顔貌が決定する。また2ないしそれ以上の中隔を有するサイナスもある。上顎洞の骨の厚さは平均mm5から8mmであるが、頬/唇側の骨の減少によって紙の様な薄いデリケートな状態もある。上顎洞粘膜はデリケートで骨膜と接している。Schneiderian膜の上に繊毛上皮が横たわっていて、しっかりと骨膜と接していて分離することは不可能である。上顎洞の開口部は洞に比較して小さい。開口部は洞底の上25mmから35mmの所にあり、洞内の浸出液を排出する役目を持っている。上顎洞は他の洞と交通して空気の流れは同じである。感染や炎症が存在するとサイナスの粘膜の血管は充血し膨張する。このことは血管を腫脹させ、脆弱にし、膜の操作の時出血しやすい傾向となる。洞への血液の供給は上顎動脈の側枝から行われる。それらは大口蓋孔に位置する歯槽動脈、眼窩下動脈の側枝、師骨、顔面、口蓋、骨動脈である。静脈として、蝶形骨静脈、翼状骨静脈が分布している。非溶血性とアルファ溶血性ストレプトコッカスやNeisseria spp.の微生物は常在菌として存在する。またStaphyrococci, Dephtheroids, Hemophilus spp., Pneumococci, Mycoplasma spp., Bacteroids spp.等も存在することもある。
外科処置
上顎洞内の骨移植は歯槽骨厚径を増大し、インプラントを埋入にふさわしい状況を作る。パントモ、Xray、デンタルCTをもとにDr.は上顎洞の陰影の状態や病的状態、形態、サイズを把握し、外科処置をする部分を理解することができる。外科手術前にペニシリン2000mgが投与されるが,最初に処置2時間前に投与されるそれは5日から7日間継続される。必要ならば抗ヒスタミン剤や鼻ずまり(充血緩和剤)が処方される。局所麻酔下でおこなわれ、大口蓋孔神経をブロックし歯槽骨にも行われる。また要に応じて静脈麻酔や全身麻酔も併用することもある。
上顎洞のサイナスリフトにおけるインプラント治療には一回法と二回法がある。
二回法:歯槽骨の厚径が3〜4mmの時に適応される。(Fig.1) 骨造成には5〜6ヶ月がかかるが、その後にインプラントを埋入することができる。それから5〜6ヶ月後にアバットメントを装着する。
一回法:上顎洞の肥大が部分的な時に適応される。(Fig.2) 少なくても歯槽骨が3〜4mmで初期固定が得られ治癒期間中に安定可能な時に行われる。骨移植とインプラント埋入の同時進行はインプラントの周囲の骨統合を鼓舞する。
切開
サイナスリフトの手術は可視が絶対必要である。サイナスへの透過は色彩が異なるので洞底の位置が確認することができる。切開線の始まりは歯槽頂側から行われるが付着歯肉の幅が狭いときは口蓋側の付着歯肉から行うこともある。15番の円刃刀を使用する。サイナスの前方境界部を越えて歯槽骨に切開を入れる。犬歯窩への垂直切開は歯肉弁の翻転を容易にする。そして歯肉弁の復位を確実にすることができる。頬骨レベルの歯肉弁の翻転は上顎骨の側壁を露出させる。新しい切開法として犬歯窩の高い位置で切開し25から35mm後方に延長する。他の新しい方法としては犬歯窩に垂直に切開を施し、無歯顎の後方向へ6mm延長する。
骨切り術
注水下にラウンドの5番を使用し、長方形の窓開けをする。サイナスの膜を破らないように皮質骨を削去する。2ないし3mmの間隔で形成される。