オステオトーム治療後の内耳の震盪と一時的なめまいの発症
Labyrinthine Concussion and positional Vertigo after Osteotome Site Preparation
Flanagan D. June  2004
最近、骨質の不良な症例や上顎洞底の挙上術にオステオトームを使用する機会が多くなってきた。しばしばマレットを使用しそれも強い力で行われている。この力は内耳の震盪を起こさせ平行感覚を消失させる。内耳は側頭骨の錐体部に包まれていて骨と膜で構成されている。内耳前庭と副環状管は内耳の骨で2区画に分けられ、内耳は髪のような受容体を有し平行感覚や位置の情報を小脳に伝える。副環状管の中の内リンパと呼ばれる液のダイナミックな波動や内耳前庭の中の平衡石と呼ばれるカルシュウム塩が関係している。内耳震盪は前庭の平衡石の移動が原因で内リンパの中の浮遊物質の混乱がめまいを生じさせる。吐き気は部屋の乾燥が関係している。しばしば軽い精神的外傷として報告されている。
症例報告
この症例におけるは患者67歳の女性で上顎の小臼歯と第一大臼歯にオステオトームを使ってインプラントを埋入した。3本ともすべてマレットし圧縮した。インプラントは問題なく埋入された。オペ終了後患者は頭を振ると軽い頭重感とめまいを訴えた。症状が消えないので耳鼻咽喉科の専門医に診療をお願いした。軽いめまいを伴う内耳震盪の診断であった。患者には重いものを持たないように、そして肉体労働をさけるように指示した。患者は日が経つにつれて症状が緩解し2週間で治癒した。
考察と結論
上顎臼歯部のインプラント埋入は一般的になり上顎洞底の挙上にオステオトームを使用したり骨を圧縮したりしている。この治療の力はめまいと吐き気を伴う内耳震盪を起こすことがある。過度の頭の伸展は症状を悪化させるためさけなければならない。外傷による急性症状は副環状管の膨隆部に耳石の存在が正しく配置されているかどうか、外リンパが漏れていないかで発症する。外傷はより細い径のオステオトームの時、あるいはオステオトーム間でドリルを使用することで軽減される。症状は数日で和らぐが、激しいめまいには2.5mg~5mgのジアゼパンが有効である。しかしながら安静と過激な運動を制限することが大事である。