BADOFE治療の内視鏡の評価
Endoscopic Evaluation of the Bone-add Osteotome Sinus Floor Elevation Procedure
Borengo M., Sivolella S., Majzoub Z., Cordioli G. March 2004
上顎臼歯部のインプラント埋入は上顎洞への骨の高さが欠落して時々困難に遭遇する。これを回避すべく、一つの治療法がTatum (1984) とSummers (1994) によって考案された。その治療法とはオステオトームの径を段階的に使用し、歯槽頂からシュナイダー膜を挙上して行う。Summersの改良法では先端がコーンケーブ型のオステオトームを使用し骨補填材を移植しながらシュナイダー膜を挙上します。オステオトームテクニックは側方からのアプローチの様な骨の高さを獲得できないが、一般的に種々のインプラントシステムで得られた様な良好な結果を得ている。この研究の目的は内視鏡下にヒトに対して一回法のBADOFE治療を行いその方法を検証することにある。
研究材料と方法
患者は男6人と女2人の計8人で、平均年齢が約52歳である。上顎臼歯部に一回法のBADOFE治療が行われた。すべての歯槽骨頂からの残存骨厚径は4mmから8mmで、インプラントの初期固定を得るには充分であった。すべての患者は健康で非喫煙者であった。外科的テクニックとして一人の外科医がインプラントの埋入し、もう一人の外科医は犬歯窩部の上顎洞に内視鏡のスコープを4mm挿入する方法を採用した。通法に従って骨頂部に歯肉弁を形成し、Summersのテクニックを応用しながら骨補填材としてBio-Ossを利用しOsseotiteインプラントを埋入した。内視鏡でモニターしながら骨補填材の挿入状況とシュナイダー膜の穿孔の防止を図った。インプラントは基本的な2回法に準じ埋入し、2次オペは5~6ヶ月後に行った。
結果
2例において小さなシュナイダー膜の穿孔がみられたが完全な骨補填材の漏出はなかったが、その少しの漏出はその結果的には問題を起こさなかった。また側方壁へのシュナイダー膜の膨隆は見られなかった。他の2例においても側面膨隆がみられなかった。これらは膜の穿孔とは関連なく、上顎洞底にしっかりと接着されていた。残りの12例の膜はリフトされ、インプラントの上方、側方の周囲に広がっていた。16の全例は2次オペのリエントリーで骨結合が確認され、患者は穿孔にも拘らず上顎洞の病理の兆候はなかった。
考察と結論
この報告では膜の大きな穿孔はなかったが、多くの研究者が結論付けているようにこのようなことは起こりにくい。シュナイダー膜は骨補填材でリフトするか、上顎洞底の皮質骨の穴開けで行うが、直接オステオトームを膜に接触しないことが大切である。オステオトームが上顎洞底の境界を越えたときは大きな穿孔が起きる。膜の穿孔があっても少量の骨補填材の追加で上顎洞内の膜の外には移動ししなかった。しかしながら、そのような穿孔があっても、思ったより側面膨隆が起こらなかったことが内視鏡観察から推定された。