あなたの知りたいインプラントのお話


 インプラント(人工歯根)の最大の特徴は、歯が抜けた後あごの骨の中に埋めることによって、抜けた歯の代わりになり、そして新しい歯となって以前の様に使えることです。そして今、残っているまわりの歯を支えにしたり、削ったりする必要がありません。歯のまったくない人でも、まだ少し残っている人でも治療が可能です。顎の骨が完全に発育が終わった年齢から何歳までもできます。年をとったら、できないのではないかとよく聞かれますが、精神状態が普通で、生理的にも健康であれば、100歳でも大丈夫です。それでは、最大の欠点とは何でしょう。治療費が美容外科のように高額になることです。後でもお話しますが、何故こんなにインプラントが素晴らしいのかお話しましょう。ネジ釘と木を例にとって説明しましょう。木工作業するときに、ネジ釘は木工板を止めるために使うことは、日曜大工で、すでにご存知だと思います。この維持はネジ山の機械的鉗合力のみなので、後で、はずしたい時は逆さに回すと、直ぐとれてしまいます。そこで、皆さん。このネジ釘を永久にはずしたくないときはどうしますか? そうです。接着剤をネジやまにつけてねじ込んでください。固まってしまうとネジを逆さに回しても取れないはずです。インプラントの場合は、インプラント(人工歯根)がこのネジ釘にあたり、接着剤が骨統合、木工板が顎の骨にあたります。
あとでも述べますが、インプラント治療の歴史は古く、16世紀のインカ帝王国で行われていたといわれています。それから19世紀の後半あたりまで、木工作業のネジ止め方式でおこなわれていました。いろいろな材料が使われていましたが、結局、顎の骨と馴染まず、すべて失敗したようです。1970年にスウェーデンのブローネマルク先生が、木工作業でいう、固まってとれない(顎の骨と馴染む)ネジ釘、すなわちチタン製のインプラント(人工歯根)を開発しました。専門的には、顎の骨と馴染むということは、チタンインプラントの金属表面と顎の骨が接着剤のように強固に結合して取れないということです。そして、それが身体に悪い影響を与えないことも実証されています。これがチタン金属の特性なのです。このインプラント治療法が大変画期的なもので、少し経って、全世界に瞬く間に広まっていきました。

ンプラントとは?

 1952年、スウェーデンの科学者ペル・イングヴァール・ブローネマルク博士は、純チタンが骨の組織と結合する事実を発見し、この現象を「オッセオインテグレーション」と名づけました。当時の医学界の常識では、金属と骨が結合するなど、とても考えられなったことです。けれども、チタンは生体組織において異物とみなされず、受け入れられる性質を持っていたのです。そこで、ブローネマルク博士はこれを人工歯根(インプラント)に利用する方法を開発。軽くて丈夫な純チタンの歯根が骨と結合し、生まれながらの歯根と同様に歯冠を支えるシステムを完成しました。「ブローネマルクシステム」と名づけられたこの治療法は、以来、世界中で数多くの人々の悩みを解消してきました。現在、この優れた技術は歯の治療だけでなく、関節、顎顔面など体の他の部分への応用に向けても、精力的に研究が進められています。ブローネマルク博士の研究から生まれたインプラントは、人類により健やかな未来をもたらす先進のテクノロジーです。



インプラントのシェーマ



三つの部分から構成されます。
1.人工歯根(インプラントフィクチャー)
2.さし歯の土台(アバットメント)
3.冠せもの(上部構造)

インプラント治療の流れ

検査診断と予備的なインプラントのお話

患者さんとのカウンセリング

インプラント手術

術後管理

上部構造の装着

メンテナンス


インプラント治療のプロトコル

1回目:
検査診断とおおまかかなインプラント知識の提供をし、初診日であるので、治療は応急処置にとどめ、口腔内デジタル撮影、レントゲン検査、監視モニターによる呼吸・循環器のデータの収集、骨量の検査、スタディーモデルの印象、ポケット検査、ムービング検査、細菌検査を実施する。

2回目:
1.コンピューターを用いて、インプラントについて詳しい説明をする。(術後のメンテナンスの話を吹含む。)
2.採取した検査資料をコンピューターにインプットし、それを分析診断し、その治療法をコンピューターとプレゼンテーション資料で説明する。
3.疾病部位と予防ケアー部位に対する必要な治療法を説明し、希望の治療法を選択してもらう。
4.希望治療法に対する概ねの治療予算と治療日数および治療期間を提示する。
5.治療費の支払い法と支払日を説明し、同意を求める。
       A.分割か、一括か
       B.現金、銀行振込、デンタルローン、現金
3回目:
治療および手術を実施する。
4回目:
抜糸、洗浄(術後10〜14日)

インプラント定着期間(3〜6ヶ月)を置く。

5回目:
2次手術後、ヒーリングアバットメント植立(2回法)。
又は仮アバットメントを装着後、仮冠をセット(1回法)。
6回目:
上部構造製作のための印象。
7回目:
上部構造の装着。
8回目:
術後メンテナンス(3ヶ月後)。
9回目:
以降、6ヶ月毎に術後メンテナンス。

インプラント治療費

インプラントの治療費は、手術料とインプラントの材料費、インプラントに装着する義歯の費用の合計です。
治療費は症例によって異なりますので、おおよその目安だと思ってください。

*歯を1本失ってしまった方 ー およそ30〜50万円ぐらい

*歯を3本失ってしまった方 ー およそ90〜150万円ぐらい

*歯をすべて失ってしまった方(片顎) − 固定性のもので治療する場合およそ350〜400万円、入れ歯を安定させる治療を行なう場合はおよそ150〜170万円

診査を行えば、治療費や予想される治療期間などを明記した治療プランを作る事ができます。まずは診査を受けてみる事をお勧めいたします。


インプラント手術の種類

1.2回法:
2回法の術式の場合、歯肉を押し広げて骨にドリルを行い、インプラントを埋入します。その後歯肉を元に戻して縫合します。そうすることによって、治療期間中にインプラントに対する機能的負荷がかからないようします。したがってこの術式の場合は2次手術が必要となります。2次手術では歯肉をもう一度開けて、歯肉を貫通するアバットメント(さし歯の土台)をインプラントに連結します。

2.1回法:
1回法の術式の場合は、歯肉を貫通するアバットメント(さし歯の土台)をインプラント埋入時に連結してしまうので、上記の2次手術が不要になる。

インプラントの寿命

インプラントは半永久的と認識しています。錆びたりむし歯になったりはしませんが、口の中の清掃状態が悪い時、すなわち歯磨きがうまくいかず、歯垢がついたままになっていると、天然の歯と同様、歯槽膿漏の状態になることがあります。インプラント治療を行う前に、口の中に残っている歯の手入れが十分できるようにならなければなりません。インプラントを望まれる患者さんは、特に口の中の衛生状態を良好に保つ必要があります。食後の歯磨きはもちろん、定期的な検査を受け歯科医師や歯科衛生士の指導に従っていただくことが長持ちにつながります。 インプラント後の歯磨きや定期的な検診(噛み合わせチェック)が重要でメインテナンスにより寿命が左右されます。

インプラントのQ&A

Q1:自分は骨が無いので、インプラントはできないと言われたのですが?
A1:現在では、インプラントを埋入するために骨の量が十分でないところへ、骨移植をしたり、GBRという技術で骨を造ることが可能になりました。手術というリスクはありますが、インプラントの適応範囲は日々、飛躍的に進歩する技術で大きく広がってきました。

Q2:自分は歯槽膿漏なのですが、インプラントは大丈夫ですか?
A2:当医院では、インプラント治療だけではなく、包括的に総合的な歯科治療を行います。歯槽膿漏の治療も、インプラント治療前に行わなればいけません。また、歯周外科手術(歯槽膿漏の手術)を、インプラント手術と同時に行うこともあります。

Q3:手術をしてから歯が入る迄、どの位の期間がかかりますか?
A3:下顎で約3ヵ月、上顎で約4〜6ヵ月程度かかります。

Q4:『インプラント』って何・・・・?
A4:耳なれない治療法ですね。「インプラント」というのは、あごの骨に人工の歯の根を埋め込み、その上に人工の歯を固定する、歯科の最先端医療技術です。歯が一本だけない場合から全部ない場合まで、広く応用されています。インプラントは「第二の永久歯」と呼ばれています。人工歯根の材科は「チタン」という金属で、骨と強く桔合する性質を持っています。そのため、自分の骨と人工の歯が直接結びつき、自分の歯と同じようにしっかりと噛むことができるのです。

Q5:糖尿病でも大丈夫ですか?
A5:医師の指導のもとに十分コントロールされていれば大丈夫ですが、状態によってはインプラント手術ができない場合もあります。
詳しい病状を医師に伝えて下さい。

Q6:インプラント治療に年齢制限はありますか?
A6:最低16歳以上(骨の成長がほぼ終了)で、医学的、解剖学的に条件が満たされている限りどなたでもインプラント治療を受けることができます。年齢の上限はありません。

Q7:治療期間はどのくらいかかるのですか?
A7:一般的に、顎の骨に入れたインプラントが、まわりの骨に結合するのに、使ったインプラントと人にもよりますが12週間から24週間かかります。その後、上に歯を入れるための期間がかかる場合とすぐにいれることができる場合があります。

Q8:以前の自分の歯と同じように噛むことはできますか?
A8:インプラントは顎の骨としっかりとくっついて丈夫な土台となり、りんご、たくあん、せんべい、あわびの造り、するめなどほとんどの物はしっかりと噛めます。以前の自分の歯以上かもしれません。

Q9:インプラントの手術は痛くありませんか?
A9:手術は十分な局所麻酔下、および場合によっては麻酔医の管理のもとに 行われるので術中に痛みを感じることはありません。術後2〜3日は腫れた り、痛んだりすることもあるようですが、ふつうは歯を抜いた時の痛みほど ひどいものではありません。腫れも遅くても4日後にはひきます。

Q10:歯が一本もなくてもインプラント治療は可能ですか?
A10:失われた歯の本数は基本的に問題ではありません。全く歯の無い方でも、 部分的に歯のない方でもインプラントは可能です。また、御高齢の方でも 重篤な全身疾患のある方意外は問題ありません。事故などの理由により通常の補綴物を入れるのが難しい場合でもインプラントは対応可能です。

Q11:もしインプラントが成功しなかったり、寿命が来たらどうするの?
A11:もし残念ながら成功しなかった場合は3〜4ヶ月後に判明しますので、その場合はインプラントの種類を変えるか、大きさを変えてもう一度植え直します。これで成功するケースがほとんどです。また不幸にしてインプラントが不成功でもアゴの骨や他の歯に異常が起こることはありません。寿命が来た場合、インプラントが動いたり、噛むと痛くなったりします。この場合はできる限り早い時期に除去します。そして骨の状態により再度インプラント手術(形や大きさの違う物を使用)も可能です。それもできない場合はやむを得ず取り外し式の入れ歯や、歯を削ってブリッジにします。

Q12:インプラントは、どのような人に適していますか?
A12:@取り外しの入れ歯が嫌いな人、または仕事その他の事情で不都合な人。 
 A歯が抜けた所を治療するために残っている歯を 削られたくない人。  
 B入れ歯で、発音や発声に不便を感じている人。 
 C総入れ歯が合わず、生活にも支障をきたし、不快感を抱いている人。 
 D歯周疾患などでたくさんの歯がなくなり、入れ歯を装着すると残っている歯に悪影響を及ぼす と考えられる人。

Q13:インプラントの治療後に他の歯が悪くなった場合は、やり直さなければならないのですか?  
A13: たとえ周りの歯が悪くなって抜けてしまっても、そ の部分に新しくインプラントを植立し、上部に接着 する人工の歯を追加することで、再び本来の機能や  美しさを回復できます。
 
Q14:何回も通院が必要ですか?
A14:インプラントを顎(あご)の骨に植え込む1次手術 と、インプラントが顎(あご)の骨と生着した後に インプラント用の人工歯を取り付ける支台を装着す  る2次手術、そして歯列の型を採る印象採取、その 模型を用いて制作したインプラント用人工歯の装着 その他などで最低でも6〜8回の通院が必要です。 また、1次手術から最終人工歯の装着までの期間は年齢、口腔状態により個人差(約3カ月〜1年位 )があります。
 
Q15:インプラントするとどんな利点がありますか?
A15:天然歯と同じようによく噛め、違和感が全くないインプラントは、噛む力の回復により胃腸の消化力も高まって健康促進につながります。また脳に対しても噛む刺激が伝えられ、脳細胞を活発にします。さらに歯がなくなると顎の骨が痩せてくるため顏の輪郭が変化してきますが、それを防ぐためにもインプラントをして骨の委縮を防ぎ、いつまでも快適な食生活と健康を維持したいものですね。

Q16:インプラントは全ての人にできるのでしょうか?
A16:抜歯などの場合と同様、心臓病や糖尿病など体に持病のある方、体調の悪い方、妊娠中の方、骨祖症等の疑いのある方は、適応できません。また、顎の骨の状態によっても、インプラントの適否が左右される事がありますので、事前に充分診査 診断を受ける必要があります。いずれも事前に先生とよくご相談下さい。

Q17:手術は痛かったり、腫れたりしませんか?
A17:一般的に抜歯する程度の痛みです。多少の痛みや腫れを生じる場合もあります。

Q18:手術の際は、入院が必要ですか?
A18:手術後の安静は必要ですが、入院は必要としません。

Q19:インプラントの噛みごごちは?
A19:自分の歯とほぼ同じような感覚で噛むことができると、皆様おっしゃっております。


                   インプラント手術のVTR


               


インプラント手術のスライドショー(1回法)

1.術前 2.歯肉から直接ドリル 3.歯肉から13mmドリル
4.最終ドリル 5.人工歯根 6.人工歯根の埋入
  
7.カバースクリュー装着 8.セラミック冠装着 9.そのレントゲン